敵の弱みに自分の強みをぶつけるのが賢者の戦い方。

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敵とは戦わないこと。そして、戦うことになったら、可能な限り、敵の弱みに自分の強みをぶつけることを考えなければならない。要らぬ血を流すことは避けねばならない。

では、個人投資家は投資ファンドや機関投資家などの強者たちとどう戦えばいいのか?

今、『マネーの代理人たち(小出・フィッシャー・美奈著、ディスカバー、2018)』という面白い本を読んでいる。

この本は、ファンドや機関投資家側などの情報が書かれている極めて貴重な一冊だ。個人投資家として勝ち続けるために、敵を知る上でおおに役立つことは間違いない。

そこで貴重な金言を1つピックアップしよう。

「著名なファンドマネージャーなどでは、市場がクラッシュしそうになったらいったんキャッシュに替えて様子を見ても良いと自由裁量を与えられているケースも皆無ではないが、例外的である。

たいていのファンドでは、投資しないで手元に置いておけるキャッシュは預かり資産の5%程度、などと契約で制限されているので、飛びつきたくなるような魅力的な投資対象が見あたらないときでも「どこかに」投資しなければならない。」

(『マネーの代理人たち(小出・フィッシャー・美奈著、ディスカバー、2018)』より引用)

これはどういうことかというと、投資ファンドの多くは、たとえ目ぼしい投資先が見つからないとしても、なんとかして、あるいは妥協してでも手元キャッシュを投資しなければらないということ。

逆をいえば、僕たち個人投資家は、いくらでも待てるということ。目ぼしい投資先がなければ待てばいい。手元のキャッシュを厚くしておけばいい。無理に投資する必要はない。絶好だと思う機会に全力投球すればいい。

例えば、大相撲で15日間で優勝力士を当てるゲームを想像していただきたい。

ルールとして、いつどのタイミングで投票してもいいとしよう。

どうすれば優勝する力士を当てられるだろうか?

実にカンタンなことだ。千秋楽(15日目)に近くなり、優勝しそうな力士が絞られてきたら投票すればいいのである。

初日では誰が優勝するか?かなりわかりづらいだろう。ところが、日に日に調子のいい力士や勝ち星を重ねる力士、連勝する力士が生まれてくる。当然、千秋楽(15日目)に近づけば近づくほど、候補は絞られくる。当たり前の話である。

ところが、もしもあなただけ制約があって、「初日や2~3日以内に優勝しそうな力士に投票しなければいけない」としたらどうだろうか?

かなり不利であることは火を見るより明らかだろう。

そう。これが投資ファンドのファンドマネージャーの制約だ。優勝するかどうかまだ判明できない。にもかかわらず、縛りがあってどこかに投資しなければならないのである。

情報力もあり、資金力もあり、知能指数も高いのかもしれない。が、考え方によっては弱みもあるといえばあるのである。その弱みを逆手にとって戦うことが、持たざる者には肝要だ。無理に強者と正面切って戦う必要はないのである。

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