
『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる(荒俣宏著、プレジデント社、2025)』を読んだ。
一言で言うと、非常に面白く、勉強になった。
どのような学び?
誤解を恐れずわかりやすくいうなら「勉強法」が語られると同時に「幸福になるためのヒント」が学べる内容。
多くの人が誤解していることの1つは、「勉強」とは苦行であるということ。しかし、荒俣さんも語っているが、本当の勉強はそういうものじゃないと。勉強は楽しいものであると。自分が心から好きになれることが本当の勉強であるといっている。
そして、その対象とは「役に立つ」ことではなく、往々にして「役に立たないこと」であると。
多くの人は、とかく勉強とは「役に立つこと」を追い求めると思ってしまう。役に立つ勉強じゃなきゃ意味がないとか、本業や仕事に活かせなきゃ意味がないとか。
しかしながら、そういった「すぐに役立つ」ものを追い求めても、大して深く学べないし、何より気持ちが乗らない。また、すぐに役立つ勉強というのは、そのノウハウの有効期限が短命である。
逆説的ではあるが、「役立たない勉強」を追うことで、結果として、将来、役に立つ「可能性」があるのだ。
なぜ?
まず、「役に立たない勉強」だと競合が少ない。あるいはいない。多くの人が意味がない、不要だと思っているので。競争にならないのである。市場経済でいうなら、まさに「ニッチ」市場。そこを深堀した方が競争優位が生まれるわけだ。
また、「役に立たない勉強」とは、何も人がやらないことを「逆張り」でやることではない。そうではなく、「自分の本当にやりたい勉強をやれ」ということ。儲かるとか、稼げるとかそういった資本主義の軸じゃない。
儲けとか関係なく、それでもやりたい勉強。それが本当に「やりたいこと」なのだ。
そして、そのための勉強は苦にならない。義務感もない。四六時中考えても辛くない。なので、必然、勉強時間も増えるし、知識も深まってくる。これが、結果として、狙ってはいないけど競争優位につながるというわけだ。
これからの時代、特に「AI」の進化は凄まじいものがある。そんな中、「役立つ勉強」を追っていくと、すぐに競合も増えるし、AIに負けてしまうに違いない。
そうじゃなく、「バカ」になって打ち込める勉強=役に立たない勉強をやりましょうね、というのが本書が大きく伝えたいメッセージと私は捉えた。
さて、あなたがやっている勉強はどちらのタイプ?すぐに役立つ勉強?それともすぐに役立たない勉強?
どちらが短命か?どちらが将来、結果として役立つことにつながるか?
はたまた「幸福」につながるか?
ぜひ一度考えてみていただきたい。
『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる(荒俣宏著、プレジデント社、2025)』
