小型株をポートフォリオに入れるのはアリか?なしか?
結論からいえばアリ。一定数を入れるといい。
なぜ?
まず、メリットから。
1つは、「下駄を履きにくい」こと。
下駄とは?
例えば、国や機関投資家、海外投資家などが高い株価でも買い上げていくことがある。
その場合、企業の実力に関係なく、株価が上昇してしまう。
これが「下駄を履いた」状態。大型優良株に多い。
なぜ?
まず規模がデカいので、国や機関投資家などがまとまって買いやすいから。
それと、海外投資家にとっては、有名な大企業ぐらいしか分からないので、必然的に投資ターゲットになりやすいから。
結果として、実力関係なく下駄を履いてしまうケースがある。それによって、投資家も予想以上に儲かってしまうこともある。
ところが、小型株は、良くも悪くもそういったことが起きにくい。
言い方を変えれば「実力通りの株価」がつきやすいということ。もちろん絶対ではない。実力あっても「見過ごされてしまう」こともよくある。
また、この下駄を履かせてもらえないメリットは、市場全体が大暴落に見舞われた時に被害に遭いにくいということ。
海外投資家が「サ~」と去って、暴落してしまう・・・ことが「●●ショック」みたいなのではよくあるのだが、小型株の場合はそれほど影響を受けないメリットがある。(もちろん、それでも引きずられてしまうことはあるが)
2つ目は、大型投資家が参入しにくいこと。
1つ目のメリットとも重複するが、小型株は規模が小さいので、大型投資家が手を出しにくい。
まとまった資金を使って投資しにくい。
例えば、小型株と言えばだいたい数十億~300億円ぐらいの時価総額だろう。となると、ファンドや機関投資家が10億単位とか100億単位で買ってしまったら、すぐに株価が吊り上がってしまう。
その前に、そもそもそれだけの株が売りに出ないので買えないだろう。
なので、単位が小さくなり、結果として、大手投資家としてはうまみ(リターン)が小さくなってしまう。
よって、大型投資家は手を出しにくい。
ここに弱小投資家はチャンスがある。大型投資家はプロが多く、賢い。実力もある。そういうった人たちが入ってこないことは有利だろう。
3つ目、当たったらデカいこと。
例えば、売上1兆円の大企業が、2兆円、3兆円と増やすのは大変というのは容易に想像がつく。
が、売上100億円の企業が200億円や300億円と増えていくのは、それに比べて想像しやすい。
つまり、小型株の場合は、大型株に比べて2倍、3倍株が生まれやすい。超うまくいけば10倍株が狙えることもあるのが小型株の面白みである。
決算発表などで好業績が出たり、良いニュースが出たりすると、一気に跳ね上がることもある。良くも悪くも素直に反応が出やすいのが小型株である。
4つ目、分析がやりやすい。
大型株の場合、コングロマリットだったり、複数の事業を展開していることがよくある。なので、企業分析が複雑になったり、難しくなったりする。
が、小型株の場合、優良な企業ほどなんらかの事業にフォーカスしていたりするので、わかりやすく分析しやすいメリットがある。
次にデメリットを。
デメリットの1つ目は、売り買いしにくいということ。
先ほどのメリットと重複するが、そもそも株の流通量が少ないので、買いにくい。
また、買い手も少ないので、売りにくい。
買いたい値段で買えなかったり、売りたい値段で売れなかったりする。
成り行き注文などしようものなら、値が予想以上に飛ぶこともある。
なので、その点を留意して、「長期保有」することを前提に買わなけらばならないだろう。
買ってすぐに「やっぱや~めた」と売ろうにも、売りたい値段で売れないことが多いので。
デメリットの2つ目。
当たり前だが、規模が小さいので、その分、大型株よりは安定感が劣ってしまうこと。
例えば、大手企業とかが傾きかけると、国から救済の手が入ったりするが、小型株にはまずそれがない。溺れかけても見捨てられると思った方がいいだろう。
その分、大型株投資よりは難易度が上がる。玄人向きである。
これらを踏まえて、大型株投資とはかなり色合いが変わってきて、扱いに注意も必要ではあるが、その点、ポートフォリオの相関関係からしても、小型株は保有する一定のメリットがある。