アメリカ株はやりません。

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投資をしていて、多数の方からよく聞かれる質問。

それは、「作野さんはアメリカ株やらないんですか?」というもの。

結構聞かれる。

が、それに対してキッパリとこう応える。

「アメリカ株は一切やりません。」

これはあくまでも私自身の見解であって絶対ではない。

人によってはアメリカ株が戦略的に機能する場合もある。

ただ、私個人の投資戦略には合わないというだけの話。

 

では、なぜアメリカ株を私はやらないのか?

理由は主に5つ。

1つ目は、「為替が読めない」ということ。

アメリカ株を買うには、当然、円をドルに替えなければならない。

その場合、円安ドル高であれば、高い値段でドルを買わなければならない。

反対に、円高ドル安であれば、安い値段でドルを買えるのでお得である。

で、重要なのは「将来」であって「出口」である。

 

もし、アメリカ株投資をして、利益が出ても、為替相場によっては「日本円に戻す」時にマイナスになってしまうことがある。

逆に、アメリカ株投資で損を出しても、投資した時より「円安」になっていれば、日本円を買う時にプラスになることもある。

まあ要するにアメリカ株の将来を読むのと同時に為替相場の将来も読まなければならないということである。

まあこれが難しい。本当に。為替ってのは読めない。

 

なぜ?

というと、為替は「相対」で決まるから。例えば、日本政府が「円を強くしたい」あるいは「円を弱くしたい」と思っても、外国の意向次第で変わってしまうからである。

プロ野球で読売ジャイアンツがチーム強化して強くしたとしても、阪神タイガースがもっと強かったら相対的に負けてしまうのである。

「相手チーム」によるので、為替というのは非常に非常に読みづらいのだ。

これが、アメリカ株に手を出したくない第一の理由である。

 

もちろん、この「為替」問題を無効化するソリューションもある。

それは、「ずっとドルを持ち続けること」「ドルで投資し続けること」「将来ドルで使うこと」など。

つまり、「円に戻さなきゃいい」って話である。これなら為替問題は時間が経てば経つほど解消されることになる。

ただ、私の場合は、アメリカや海外に住む予定もないし、海外でお金を使うことは基本的に旅行ぐらい。ドルを持つメリットがほぼない。

なので、アメリカ株投資をした場合、どこかのタイミングで「円に戻す」可能性が大きいので、為替リスクを考慮すると、どうしてもやりたくないのである。

 

理由の2つ目。

アメリカ株はわからんからである。

アメリカに住んだこともないし、アメリカ企業やアメリカのお店のことはよくわからない。

アメリカ人ほどには理解できない。

また、知ろうと努力しても、アメリカ人ほど知りやすい環境に生きていない。

つまり、強みが活かせないのでやりたくない。

逆に日本株には優位性がある。

日本に住んでるし、日本で47年間生活してきたし、調べようと思えば調べやすい環境にある。

相対的にアメリカ株より日本株の方がやりやすい。

 

理由の3つ目。

相対的に日本株は見下げられてたし、割安だと感じていたから。

2020年コロナショックあたりから、私は日本株に大きく投資し始めた。

その際、アメリカ株をはじめ、ドイツ株など、海外の株は大幅に上昇した。

しかし、日本株はそうではない。2024年にようやく越えたが、それまでは1989年の最高値をずっと更新できずに停滞していたのである。

約30年も停滞し続けた先進国は日本ぐらいなものだ。

つまり、それだけ上昇のポテンシャルエネルギーを抱えていたわけである。

 

そもそも、金融資本主義というのは、幻想マネーを刷り続けることで成り立っている。

理論上は、市中に出回るマネーが増えれば増えるほど、物などの資産価格は上昇する。当たり前の話である。

ところが、日本においては、政府の愚策によりずっと物価や資産価格などが他の先進国ほど上がらずにいた。

その分のポテンシャルエネルギーはどこかで解消されるだろうと考えるのは自明の理。

優良企業の株を買ったら儲かるか?というと必ずしもそうではない。

高い値段で買って、安い値段で売れば損をする。

しかし、優良企業でなくても、「割安」で買えば儲かることもある。

 

つまり、優良企業かどうかという問題に加えて、「買う時の価格」も投資においては重要ということ。そんなことは釈迦に説法だろう。

で、日本株の話に戻すと、アメリカ株は優良企業が多かろうが相対的に高いと感じていたが、日本株は相対的に割安と感じていた。

もちろん、日本には優良企業が多数存在する。今後、世界を席巻していくに違いないと感じている企業もゴロゴロいる。が、その割にまだまだバリュー的に見下げられているように思う。

だから、この5年、日本株をメインで投資をし続けてきた。おそらく、このスタンスは今後も変わらない。絶対ではないけども。

 

理由の4つ目。

リスクヘッジになりにくい点。

人によっては、「日本株とアメリカ株で分散してリスクヘッジしたい」という人もいるだろう。

しかしながら、日本株とアメリカ株では、実はさほどヘッジ効果はない。

グローバル化が進んだ昨今では、かなり似た値動きをしやすい。動きが連動しているのである。

例えば、日経平均やダウ平均株価のチャートを見れば、火を見るよりも明らかであろう。

よく、「日本株だけだとリスク高いからアメリカ株もやったら?」という人がいるが、これは株でのリスク分散ではなく要するに「為替」でのリスク分散をしているだけの話である。

考えている以上にヘッジ効果はない。

だったら、単純に「ドル」を買っておけばいいだけの話だろう。そうでなければ「気持ち」の問題である。

ちなみに、私の場合、アメリカ株で「分散効果」を狙うのではなく、例えば「内需株」と「外需株」という形で分散効果を得ている。

例えば、これなら日本がガタガタになっても海外で利益を得やすい「外需株」がヘッジ効果として活きてくるし、逆に海外で物が売れなくなっても国内で利益を得やすい「内需株」がヘッジ効果として活きてくる。

日本株とアメリカ株で分散効果を狙うより、単純で効果は高い。

 

理由の5つ目。

単純に日本が好きだからである。

これが一番大きいかもしれない。

日本には素晴らしい製品もあるし、誇らしい企業が多数いる。こんな恵まれた国はそうはない。この日本で生まれ、日本で生活できていることがなんと有難いことか。感謝しかない。

日本で頑張ってる企業を今後も応援し続けたい。

ただただそれだけである。

 

以上、私がアメリカ株をやらない理由であり、日本株に投資し続けてきた理由である。何度も言うが、これはあくまでも私個人の見解。私にとっては戦略的に機能しないが、人によってはアメリカ株が戦略的に機能する場合もおおいにある。また、今後の経済環境などによっては、私にとってもアメリカ株投資が戦略的に機能することも全くないわけではない。その際はアメリカ株に投資する可能性はある。まあたぶんないとは思うけど。

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