高配当株投資が人気である。本屋に行けば高配当株に関する書籍も増えてきた。
銀行預金より高い利回りとか、お小遣い感覚で定期的にお金がいただけるなども人気の理由だろう。
私自身も高配当株は好きで、投資の主体は高配当株だ。
しかしながら、高配当株投資は注意しなければならない点がある。
それは「絶対的」な高配当はないということ。
例えば、「配当利回り5%以上だから高配当株」などと「絶対的」な数値で決めつけてはいけないということである。
そうではなく、高配当かどうかは「相対」で決めることが大切。
もっといえば、配当利回り5%以上が「高配当」になる場合もあるし、「低配当」になるということである。
どういうことか?
例えば、投資を検討しているAという会社の株が毎年のように「配当利回り5%以上」で出回っているとする。この場合、この会社の配当利回り5%は高配当でも低配当でもなく、むしろ「平均的」ということ。
まあ、ずっと同じような配当利回りということは現実的にはありえないが、ここではわかりやすく、ほとんど変わらなかったとする。
ところが、市況が悪くなり、市場全体は売りモード。となると、株式市場全体が下がってくる。すると、相対的にA社の配当利回りは上がってくるだろう。6%や7%など。
そうすると、A社にとってはこの6%や7%は「割安圏」であり「高配当株」になるわけだ。
ここでようやく私のような高配当割安株好きな投資家は触手が動き始めるのである。
また、この「相対的」な高配当基準を持っている者としては、2%や3%などの一般的には高配当株にあたらない株でも「高配当」と見なすこともある。
例えば、B社という企業の配当利回りが毎年だいたい1%台だとする。ところが、何らかの拍子で、まあ減収減益とか不祥事とかで売られまくって、配当利回りが2%台や3%台を付けたとする。
すると、私にとっては、このB社は「相対的」に高配当であり、「割安」だと判断し、買うことがある。
このように、何が言いたいかというと、世間が言う「〇%以上の高配当」というのはあてにしてはいけないということ。そうではなく、その企業の「過去」や「業界平均」、「市場全体平均」などの「相対」で判断することが肝要だということ。
そうしないと、一見、高配当に見えて粗悪な企業、あるいは凡庸な企業を買ってしまうことがあるので注意が必要である。
  
  
  
  