『逆境を打ち破るイチローの名言(桑原晃弥著、ぱる出版)』を読んでみた。
イチローさんの名言を桑原さんが独自に解説付与。
一言で言えば、わかりやすく大変ためになった。
やはり、超一流の偉人イチローさんの名言を元にしているのだから、ためにならないわけがない。
私が思うにイチローさんは現代の宮本武蔵のような存在。その生き様や思考法は様々な分野で役立つ。
例えば、投資にもイチローさんの思考は大変参考になる。
本書から活かせると思った点をあえて2点ピックアップすると以下の通り。
1つ目は、「ホームランを狙わない」点。
イチローさんは他のメジャーリーガーに比べてきゃしゃではあるし、ヒットメーカーに見える。が、意外にもホームランもかっ飛ばせるパワーもあったりする。
しかし、イチローさんの体格だと年間ホームラン30本を狙うには、どうしても打率が.250ぐらになってしまうと。それでも良ければホームラン狙いで行くが、自分に求められている役割はホームランではなく安打数。打率で言えば.350打てればチームに貢献できる。
だからこそ、あえてホームランは捨てている。この「あえて」捨てられる点が凄い。野球やってたらどうしてもホームランは狙いたくなるものなのに。
この考え方は投資にもまさに当てはまるであろう。私自身もホームランは狙わないようにしている。例えば、テンバガー株など。
確かにテンバガーは魅力的である。買った株が10倍になるのだから。しかし、これを狙うには、どうしても「小型」な株を選ばなくてはならないし、安定系の株よりは「グロース」系の株を選ばなくてはならなくなる。
そうすると、ボラティリティが高くなり、自分のメンタルではとてもじゃないがついていけない。
だったら、ヒットか二塁打ぐらいを量産するようなスタイルが自分には合っている。
それと2点目は「短期ではなく長期で結果を残すことの重要性」について。
イチローさんの凄いところは、日本にいる間、7年連続で首位打者(打率トップ)を獲っていること。これは史上初。単年で首位打者を獲るだけでも凄いことなのだが、それを7年も連続となると異常。
また、アメリカに渡った後は10年連続で打率3割、200安打以上を記録。これもすさまじい。すさまじすぎる。最終的には日米で4,000本を超えるヒットを打った。
このように「長年」結果を積み重ねてきたことが偉大で、おおいに参考にしたいスタイルである。
投資でも同様。単年で凄い成果を出すのではなく、長年に渡って実績を積み上げいくスタイルの方を目指す方が自分は好きで合っている。
そういえば、私自身、今年で会社設立から22年が経った。会社経営も単年で凄まじい売上や利益を出すよりは、長年に渡って成果(特に利益剰余金)を積み上げることを心がけてきてはいる。今後もこのスタイルは変わらないと思う。
やはり、超一流の名言はいいねえ。そして、それをわかりやすくまとめてくれた著者桑原さんに感謝。
『逆境を打ち破るイチローの名言(桑原晃弥著、ぱる出版)』