賢者は「自ら販売」する。愚者は「販売を他人任せ」にする。

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今回もスモールビジネス向けに、経営ノウハウをお届けしていきます。

今日は、
『賢者は「自ら販売」する。
愚者は「販売を他人任せ」にする。』
というお話をします。

毎回ですが、守秘義務の関係上、業種や業界などはわからないように、あえてかなりぼかしています。ご容赦ください。

随分昔の話になります。ある知人経営者が相談に乗ってほしいということで、経営相談に乗ったのです。

本人と特定されないよう業種や商品などはあえてズラしますが、画期的な「顧客管理ソフト」を開発したとのこと。

社長はそのソフトに社運を賭けているようでした。

そして、たくさん販売するために、販売力のある大手企業を紹介してほしいという相談でした。

そこで私はこう言いました。

「社長、新商品の販売は他人任せにしちゃダメですよ。」と。

社長は目が点になっていました。

「何を言ってるんだ?」と言いたげそうな顔でした。

 

続けて私はこう言いました。

「新商品の良さは社長が一番よくわかっています。

また一番情熱があるのも社長です。

だからこそ、その情熱や知識を持って、自らお客さんに売る精神が重要なのです。

もし、これを他人に任せたらどうなるでしょうか?

商品の良さが正確に伝わりません。
当然ながら社長ほどの情熱も伝わりません。

結果、キャズムを越えることなく沈みます。」
と。

これでも社長は不服そうでした。なので、続けて私はこう言いました。

「あと、売れる売れないに関わらず、商品投入初期は顧客のフィードバックが何よりも大切になってきます。

世の中に完璧な商品はありません。

良い商品というのは、顧客との真剣な対話によって、改良に改良を積み重ねて出来上がっていくものなんです。

そこには、厳しい言葉やお叱りの言葉もあるでしょう。でもいいのです。

そうやって商品はどんどん改良されていくのですから。

さらに良いことは、フィードバックをくれる初期のお客様は熱烈なファンになる可能性も高いということです。

自らが育てたとか、愛着が湧いてくるのです。ひいては長い間使ってくれる古参顧客になっていく可能性があるのです。

だからこそ、最初は厳しいですが、自ら売り抜く精神が重要なのです。

顧客と直接対話することが肝要になります。

ここを他人任せにしたり、逃げたりしては、肝心な創業期は乗り越えられません。」
と。
残念ながら、この社長は怪訝な顔をして帰ってしまいました。

 

でも、この論理は決して間違っていません。

伸びていく会社は往々にして、新商品投入初期に社長自ら「売る」経験をしています。厳しい対応や、お叱りの言葉を乗り越えて、成長しているのです。ここをアウトソーシングすることだけはできないのです。

余談ですが、私もよくお客様に育てられました。厳しいお言葉を頂戴したことも多々あります。おかげさまで今があります。大変ありがたいことです。思い返すとちょっと目がウルっとしてしまいますね。

新規事業スタートのドラマというのは当然ながらはじめにしか味わうことができません。

参考になれば幸いです。

記事執筆者(Author)
作野裕樹

投資家、経営者。
㈱レジェンドプロデュース代表取締役。

1978年、愛知県名古屋市生まれ。17歳の時、父を肺炎で亡くしたことがきっかけで「自分らしく生きる」意識が芽生える。23才の時に独立起業。2003年、25才の時に株式会社レジェンドプロデュースを設立。ASP事業を展開。著書『学校では教えてくれない起業の授業(アスカ出版)』などを出版。

現在は自身の起業、投資経験を元に経営コンサルティング&コーチングにも注力。主に「あなたらしく稼ぎ、遊び、貢献する」をモットーにクライアントの事業コンサルティング、資産形成、メンタルサポートなどを実施中。

趣味はバイクや車でツーリング&ドライブしたり、ゲームなど。

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