
『アンダースロー論 (渡辺俊介 著、光文社新書、2006)』読了。
とて面白かったし、勉強になった。
渡辺俊介さんといえば、メチャクチャ低いところから投げる美しいアンダースロー。あれほどの美しいフォームのアンダースロー投手は見たことがない。
渡辺俊介さんは、元々、恵まれた野球の素質を持っていたわけではない。スピードは130キロ台で肩も強くないし、足も速くない。
そんな渡辺俊介さんがどのように強者だらけのプロ野球で勝てるようになったか?WBC優勝などの活躍ができるようになったか?
秘訣は「弱者の戦略」で、希少価値高い「アンダースロー投手」で差別化し、一点突破していったこと。
アンダースロー投手は少ない。なので、バッターも手こずる。データも少ないので攻略されにくい。世界大会などで外国人も苦労することから、アンダースロー投手枠として選ばれやすいというとこに目をつけて戦っていった。
細かい点では、グローブの重さや大きさ、爪を切るタイミング、ロジンバッグの触り方など、そんなとこにまでこだわりがあったのかと目からウロコ。勝負の女神は細部に宿る。大変参考になった。

