あなたは売上のアッパーを決めているだろうか?
何を言ってるんだ!?
売上は多いに越したことないだろう!
売上は多けりゃ多いほどいいに決まってるだろ!
そのような返答が返ってくるかもしれない。
が、僕の場合は、会社や事業の売上のアッパーをおおよそ決めている。
例えば、経営する会社の1つは、売上を1億円〜2億円と決めて経営している。
実際10年以上この数字の中で落ちついている。
なぜ?
理由の1つ目は、大きい売上を狙うと、強者や大手企業がやってくるから。
まずデカイ規模がねらえるマーケットだと、大手や強者がやってくる。
たとえば、10億円や100億円規模となると、上場企業などが、
「おお、これは結構大きな市場規模だ。
たくさんの従業員や投資家を満足させられる。
へへへ、じっくり参入するか。」
と。
こりゃ凡人にとってはたまったものではない。
僕は自分自身のことをたいした実力ない人間だと思っている。
愚かで、努力もろくにできない怠け者だという自負もある。
勉強ができる人や仕事がバリバリできる人がいる優秀な企業や、広告費に資金をバンバンかけられる大手がやってきたら、ひとたまりもない。
ところが、小さな会社が年商1億円〜2億円を稼ぐぐらいの規模なら、大手企業は採算が合わないので参入しづらい。努力に対する見返りがほとんどないから。
だから、ビジネスに参入する際は、
「どれぐらいの限界規模か?」
をできるだけ想定して参入する。
僕の場合は、それが年商は1億円〜2億円ほどあれば十分だと考えている。
それ以上狙えると逆に怖い。
理由の2つ目は、売上が増えると、お客さん一人あたりの関係性が希薄になってしまうから。
仮に、お客さん1000人で年商1億円が成り立っているとする。
これを10倍の年商10億円にするには?
単純計算でお客さんも10倍の1万人にしないといけない。
もちろん、このような単純な計算じゃないけど、それでも、客数を増やすのは王道であることには変わりはない。
そうすると、お客さん一人あたりに接する時間だったり、精神的なものだったりがうすくなってしまうだろう。
結果として、お客さんから飽きられ、変な口コミになり、会社は立ちいかなくなるだろう。
だったら、売上のアッパーを決める。
「だいたいこれぐらいの人数のお客さんしか相手にしない」と決めておくといい。
今いるお客さんと長く、濃く付き合うことを重視したい。
それと理由の3つ目は、自分自身の器の問題。
僕自身はマネジメントや組織構築があまり得意ではない。
例えば、年商10億円、30億円、50億円、100億円と、規模を増やしていくと、どうしてもそれにともなって、従業員を増やさなければならなくなってくるだろう。
そうなると、人の管理や育成に手間暇がとられる。
人の管理や育成が得意な人や好きな人はいいけど、僕にはムリだ。
なので、結論としては、それほど売上はなくてもいい。儲からなくてもいいと思っている。
従業員数名で年商1億円〜2億円稼げれば、十分な幸福は満たされる。
遊ぶ時間や、家族との時間なども確保できる。
好きな古武術の稽古や、ピアノ演奏、バイクツーリングなどの時間的ゆとりもある。
家族や子供、愛犬の散歩の時間もある。
他にもやりたいことがたくさんある。
ということで、自分自身がどのぐらいの売上が適切か?限界はいくらか?を決めて経営することはオススメである。
もちろん、これは必ずしも正しいわけではない。
能力ややる気がある人は、どんどん大きな売上や、大きな組織構築を狙ってほしい。
ただ僕みたいな凡人や多くの人にとっては、売上拡大、持続的成長は不正解である場合もあるということを肝にめいじていておくとよい。
確かに自慢にはならないかもしれない。
「俺どうだ!こんなにも稼いでるんだぞ!」と威張ることもできないかもしれない。
でも、それでもいい。
自分にとって、それが正解なら、他人や世間体など気にならない。
「自分だけの正解」を狙っていこう。